ポップアートとは?日本人有名アーティストから若手までを紹介
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2023.3.24.UPDATE
皆さんこんにちは。現代アート通販サイトMONOLiTH運営責任者のGOSUKEです。
アートを色々見ていく中で、”ポップアート”という言葉を見たことは無いでしょうか?現代アート同様、アート界隈でよく使われている言葉です。
ただポップアートと言われてもいまいち何のことだか分からない‥というのが私も思ったところで、本記事ではポップアートについてをまとめております。
ポップアートの成り立ちと具体的なアーティストから、日本ではどのような方がいるのかを有名どころから若手までを紹介していきます。
ポップアートとは?
ポップアートはどのように誕生したのか
それではまず、ポップアートがどのように誕生したのかを簡単に解説していきます。
第二次世界大戦終了後、欧米の先進国は大量生産・大量消費社会を迎えました。たくさんのものが日々生産され、多くの人はより豊かで便利な生活を求めて、そういった商品を買い求めるようになったのです。
そんな中で世の中に流通する商品やそれを宣伝する広告、娯楽であった漫画など、身近にあふれる大衆文化をモチーフとして作品に取り入れて、これまで高尚なものが多かった伝統的な美術に対抗するアート制作活動を始める作家が現れました。
その波はイギリスから始まり、アメリカに伝わり拡大していきました。そしてたくさんのアーティストの作品制作活動により、ジャンルとしてのポップアートが確立されていきます。
ポップアートの潮流が無ければ、今日のようにアートが身近な存在にはなっていなかったわけです。
ちなみにポップアートの語源は、イギリスの美術評論家であるローレンス・アロウェイ氏が1956年に商業デザインなどを指して「ポピュラーなアート」と言ったことが語源だそうです。
ポップアートの中でも特に有名なのがこちらのリチャード・ハミルトン氏の『一体何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力あるものにしているのか』というコラージュ作品。
ベースになっているものは「Ladies Home Journal」という雑誌に掲載されたリビングの広告で、その上にモデルや家具や商品、ポスターといった大衆的で大量消費社会を象徴するものがコラージュされています。
ポップアートを確立した有名アーティスト
それでは具体的にポップアートの確立に貢献した有名アーティストを3名ほど紹介していきます。
アンディ・ウォーホル
多くの方が一度は見たことあるであろうトマト缶。
こちらが代表作品のアンディ・ウォーホル。アメリカ出身です。
元々は大学卒業後に広告業界でデザイナーとして賞も受賞する等活躍していたアンディ・ウォーホルですが、32歳のときにアートの世界に転向します。
最も有名な「キャンベルのスープ缶」は自身が食べていたスープ缶を大量消費社会の象徴として描いた作品で、現在でも沢山のオマージュ作品を多くのアーティストが制作するなど、多大な影響を与えております。
その他にもセクシーな女の典型としてマス・メディアによって記号化されたマリリン・モンローをモチーフとした作品も有名です。
ロイ・リキテンスタイン
コミックをモチーフにしたシリーズが有名なロイ・リキテンスタイン。彼もアメリカ出身です。
コミック特有のスクリーントーンを使ったコミックタッチの作風もさることながら、アート作品の中にセリフが吹き出しであるという、これまでには無い新しい表現でした。
当時の伝統芸術からすると、これがアート?という疑問もあったことでしょう。
マンガをアートに昇華させた、というのは今日のアートにも大きな影響があります。
キース・ヘリング
本名はキース・アレン・ヘリング。アメリカの芸術家です。
UNIQLOをはじめとする有名アパレルのコラボなど、見たことある方も多いのではないでしょうか。
また彼は1988年にエイズを患い、作品の中で反エイズ・予防啓蒙を訴えるという社会派な面も併せ持っておりました。
▼反エイズをアピールする作品
日本の有名ポップアート作家
では、日本ではどのような方がポップアート作家として有名なのでしょうか。
主なポップアート作家を4人ご紹介致します。
草間彌生
皆さん一度は作品を見たことあるかと思います。日本を代表するアーティスト、草間彌生。
彼女と言えばカボチャと水玉。彼女の作風は、幼少期に悩まされた精神病から大きな影響を受けており、当時は視界が水玉で覆われたり、植物が話し掛けてきたりということがあったそうです。
また、渡米した際にはニューヨークでアンディ・ウォーホルとも交流を持っていたそうです。
彼女のモチーフはどこにでもあるカボチャや、一見アート性の無い水玉というところから、ポップアートの気を感じますね。
横尾忠則
独特なタッチで描かれる広告デザイナーとしても活躍したのが横尾忠則。
ポップアート文脈では広告デザインを通して日本のポップカルチャーを世界に発信したことが大きな功績です。
広告デザイン以外にも、油絵の具やアクリル絵具、時にはコラージュ手法も使って、現在も様々な作品を描いております。
▼Y字路シリーズ
田名網敬一
カオスとポップが入り交じる作風が特徴の田名網敬一。
筆者が最も好きなアーティストの一人です。
彼の作品は、自身が体験した第2次世界大戦と空襲に遭う東京の光景が主要なモチーフとなっております。広告代理店の博報堂にて、広告デザイナーとしても活躍した経歴もあります。
日本の漫画やアメリカン・コミックスにも影響を大きく受けており、ポップアートを感じさせられます。
村上隆
ドラえもんの作品で有名な村上隆。
毎年六本木でアートナイトを開催したりと、現在も日本のアート発展に沢山の影響を与えております。
彼が提唱したのが「スーパーフラット」という概念で、特徴としては平面的で二次元的な絵画空間を持ち、余白が多く、また、遠近法などの技法をあまり使わないものを指します。
スーパーフラットの概念は今日も様々なアーティストの作品制作に活かされています。
ポップアートにルーツのある日本の若手作家
続いて、あくまで筆者の主観となりますが、日本の若手作家で特にポップアートにルーツのありそうな方をご紹介致します。
仲 衿香
誰もが一度は見たことのある企業ロゴをモチーフに、作品制作を行う仲衿香さん。
「日々めまぐるしく新しいものが生まれる反面、気付かぬうちに無くなっていくものもある」という資本主義の特徴に着目し、そのモチーフとして資本主義の最たる象徴である企業ロゴを描いています。
そしてメディウムによって厚塗りにしていく中で、絵具や筆が自分の予期せぬ動きをし、結果として普通に描くよりも抽象度が上がったものが出来、作品が資本主義そのものを表す、という風なコンセプトで制作を行っています。
身近に溢れ、そして大量生産・大量消費社会の象徴である企業ロゴをモチーフにするところからポップアートをひしひしと感じます。
渡邉 城大
キャンバスに漫画の技法を落とし込む渡邉城大さん。
約10年間、漫画家アシスタントとして活動した彼は、キャンバスにマンガの技法であるスクリーントーンを落とし込み、マンガとアートを見事に融合しています。
このようなマンガをアートに昇華させる作風は、ロイ・リキテンスタインに通ずるものを感じます。
▼キャンバス作品にシルクスクリーン版を使ってスクリーントーンを描く。
アーティストとしての活動は2021年から始めたばかりですが、その人気は凄まじく、これからの活躍が楽しみな方です。
渡邉城大さんの作品はMONOLiTHでも販売中!
buggy
コラージュやアクリル絵具、スプレー等、様々な技法を用いてシニカルでエッジの効いた作品を作るbuggyさん。
彼の作品の中でも、雑誌やネットに落ちている画像など、様々な切り抜きを使って作られるコラージュ作品は特にポップアートの気を感じます。タッチも外国風でかっこいいです。
buggyさんの作品はMONOLiTHでも販売中!
ちなみにこちらの記事では、その他にも、筆者厳選の現代アーティストを紹介しておりますので、是非チェックしてみてください!
様々なアート作品を購入できるMONOLiTH
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ポップアートを感じられる作品も多数あるので、お気に入りの作品を探してみてください。
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最後に
本記事ではポップアートの生い立ち、有名作家、日本におけるポップアート作家を紹介させて頂きました。
イギリスで生まれ、アメリカで大成長を遂げ、日本のアートにも大きな影響を与えたポップアートは、これから作品を見ていく上でとても大事な考え方だと思います。
過去を知ると今の作品をさらに楽しむことが出来るのも、アートの面白いところです。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
それではまた!
MONOLiTH運営責任者
小野田 豪祐