【イラストレーター・Narcolepsy1999(ナルコレプシー)インタビュー】イラストを描き始めて1年で初個展!作品制作に込めた想い
目次
2023.3.24.UPDATE
皆さんこんにちは。現代アート通販サイトMONOLiTH運営責任者のGOSUKEです。
今回のアーティストインタビューのお相手は、Narcolepsy1999(ナルコレプシー)。
イラストを描き始めて1年あまりでInstagramにてフォロワー3万人超となり、話題になりつつあるイラストレーター。
自らの病である「中枢神経系ナルコレプシー」を活動名とし、可愛らしくもアンニュイな表情と、80年代を連想する淡く落ち着いたレトロポップな色彩が特徴。
今回は初個展「あくび」の会場にて、根掘り葉掘り質問し、赤裸々に語って頂きました。
アーティストプロフィール
Narcolepsy1999(ナルコレプシー)
可愛らしくもアンニュイな表情と、80年代を連想する淡く落ち着いたレトロポップな色彩が特徴的な、今注目のイラストレーター。
Instagramのフォロワー数は3万人を超える。
自らの病である「中枢神経系ナルコレプシー」を使った名前で2021年より活動を開始。 病により一日を通して強烈な睡魔に襲われ、人よりも長く眠ってしまう。
2022年8月、新宿にて初個展「あくび」を開催。
個展名「あくび」の由来は、ナルコレプシーは「可愛いの条件」を模索しており、 その条件の中の「不完全(だらしなさ、隙、緩さ)」を一言で表したものである。
Narcolepsy1999のInstagramはこちらから
個展開催情報
Narcolepsy1999 1st SOLO EXHIBITION「あくび」
8.18(木) ~ 8.28(日) ※月〜水は休廊
12:00 PM – 20:00 PM
〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1丁目12-4
Google Mapはこちらから
※会場が飲食店のため、1オーダーを頂いております。
アーティストインタビュー
絵を描き始めたのは1年ちょっと前
ーー絵はいつから描き始めたのでしょうか?
描き始めたのは事務所の方に褒めてもらったのがきっかけで、1年位前ですね。
ーー1年前!?1年間でここまで上達するのってすごいですね‥絵を始める前は何をされていたのでしょうか?
絵を始める前は、看護学校に通っていました。
看護師になりたいなと思って通っていたんですけど、でも通っていた時期に持病のナルコレプシー(過眠症の症状のひとつで、日中に突然強い眠気に襲われ、眠ってしまう病気)が重くなってきてしまって、学校を一回お休みしていました。
その時に時間があったので描き始めて、今に至ります。
ーーなるほど、看護師を目指されていたんですね。ちなみに学生時代は落書きも含めて絵を描かれていたりしたのでしょうか?
全く描いていなかったですね‥(笑)
だから絵を描くぞと決めて描き始めた時は本当に大変でした‥
今まで描いていればよかった、絵に触れる機会を増やせばよかった、と思いました(笑)
ーー元々絵を描かれていなかったのに、1年間でこのクオリティ‥すごい努力をされたんですね。そんな中絵を始めようと思ったモチベーションがどんなところにあったのか気になります。
そうですね、Instagramを見ている中で、絵を描いている人とか作品とかに、ずっと惹きつけられていて、知らない間に保存していたり、スクショして壁紙に使っていたり、自分のフォルダに絵がたくさんあることに気付いて。
それから絵が好きなのかもしれないな、と思って、絵の勉強はしたこと無かったんですが、衝動で、普段見ている方の作品を真似して描いてみました。
だからまだまだ修行中の身で、モチベーションを下げるわけにはいかない、こんなんじゃまだまだだ、という気持ちで描いていますね。
可愛いの成分を模索中、今回のテーマは「不完全さ」
ーー普段女の子を描かれていますが、最近女性の絵を描く作家さんは多いように感じます。他の方と比べた際のナルコレプシーさんの作品の特徴はどのようなところにあるのでしょうか?
大きなテーマとして、可愛いイラストを描きたい、というのがあります。
じゃあ可愛いの成分って何だろうと考えた時に、その一個が不完全さというか、ちょっとした隙とか、許せる範囲のだらしなさとか、そういうものがあるんじゃないかなあと思っています。
可愛いの成分を今は模索中ではあるんですけど、今回の個展は不完全さとか、ちょっとした隙とかにフォーカスして描いているので、どの絵も抜けているところがあります。なのでそういうところを感じて頂けたら嬉しいなと思っています。
特に影響を受けたのは漫画家さんから
ーー影響を受けたイラストレーターやアーティストというのはいらっしゃるのでしょうか?
すごくたくさんいると思います。どちらかと言うと漫画家さんからの影響が強いのかなあと。
少年漫画のヒロインがすごく好きで、田川とまた先生とか、イラストレーターさんだと古塔つみさんも好きですし、リトルサンダーさんっていう香港の方も本当に好きで、沢山いすぎて分からないくらいです(笑)
ーー沢山影響を受けているんですね。ちなみに一番好きな漫画は何でしょうか?
うーん‥難しい‥ワンピースは揺るがず一番好きなんですが、個人的に良いなと思ったのは、田川とまた先生の「ひとりぼっちで恋をしてみた」という4巻完結の漫画なんですけど、すごい良くて。女性が主人公ではあるんですが、恋愛漫画ではなく、とても素晴らしい作品でした。
ーー読んでみます!ちなみに漫画家になりたいなと思われたことはあるのでしょうか?
何十作も、何巻もというのは難しいなと思うんですけど、短編とかなら作ってみたいなという気持ちはあります。
作品のモデルは自分
ーー描かれている可愛い女の子たちにモデルはいるのでしょうか?
自分が描きたい、こういうのがいいなっていう構図が浮かんだ時に、自分の動画を撮って、それを参考には描いてはいます。
ーーなるほど。自分を撮ってその動きを見ながら描く感じですね。
そうですそうです。
あと女性しか描かないというわけではなく、オーダーがあれば全然男性も描きたいなって思っています。
ーーそうなんですね、今まで男性を描いたことはあるのでしょうか?
はい、今までにご依頼を頂いて男性を描いたことは何度かあります。
ーーやっぱり男性描くのと女性描くのでは描き方は多少変わるのでしょうか?
ガタイというか肩幅というか、普段女性を描くことが多いので、仕上がって見た時に、なんかちょっと可愛すぎちゃったりすると、どうしたらいいんだ‥と迷子になることもあります(笑)
ーーなるほど。普段は何を使って描かれているのでしょうか?
普段はiPadとApple Pencilで、アプリはCLIP STUDIOというものを使って描いております。
初個展「あくびについて」
ーーそれでは今回の個展「あくび」について教えて下さい。「あくび」というタイトルにした理由はどんなものなのでしょうか?
先程お話した部分と重なりますが、今回の可愛いの成分である不完全さやだらしなさというのを、ぎゅっとまるめて表したらあくびという行為なのでは、というところから決めました。
ーー今までイラストとして絵を描いていたかと思いますが、今回初めてアート作品として描くというところになって、苦労した点があれば教えて下さい。アートとイラストの違い等。
違いをすごく感じました。
イラストって元々、小説の挿絵だったり、商品とかサービスとか、文脈に対して絵で視覚的なイメージを作る要素が強いのかなと思います。何を伝えるのか、どうやって見られるのかが明確というか。見る人の気持が想像しやすいのがイラストだと思います。
ですがアート制作にはそれが全く無い‥普段SNSで見てもらっているものをリアルでどう表現するかというところ、質感とかもそうですし、キャプションにこだわったり、ちょっとした詩をつけてみたりとかで、違いを感じて頂けるように工夫しました。
▼各作品に作家本人が考えた詩が書かれている
ーー今回全作品にご自身で考えられた詩がついているんですよね。各作品から着想した物語ですね。
ーー今回初めて作品をデジタルからリアルにしたと思うのですが、紙とか額装とか、こここだわったという点があれば教えて下さい。
印刷の紙を出来るだけテクスチャーのあるものにしました。実際に目で見た時のでこぼこだったり滲んでいる感じだったりを感じられるものにしたいなと思って、ちょっと良い紙にしました(笑)
ーーですね、50種類くらいから選びましたね。
▼印刷用紙選びの様子
ーー今回の展示の見どころとして、どの作品も見応えあるとは思うんですが、個人的にはこちらの参加型作品が面白いなと思っています。
社会実験的なもので、作品の前に絵具とか、トンカチとかが置いてあって、自由に作品を傷付けてOKという形です。ただ一人でも作品を傷付けたら、この作品は販売せずに廃棄する、というものです。
意図としては誹謗中傷が飛び交うネットに対して、同じシチュエーションが与えられたらリアルだったらどうなるのか、というものです。
ほとんど僕が解説してしまいましたが、こちらの作品に込めた想いがあれば教えて下さい!
▼社会実験作品「不完全」
作品を見て、何か行動をしてくれたらいいなと思っていて、傷付けるのはもちろんですし、何もしないというのも行動ですし、なにか行動を選択をする楽しさを味わって欲しい、というところから考えました。
ーー最後まで残るといいですね‥ちなみにこちらの作品は一点モノで抽選販売となっております。その他の作品は先着順という形です。
ーー今回の展示で特にお気に入りの作品はあったりするのでしょうか?
うーん‥悩ましい‥「まち時間」がやっぱりいいなと思います。
「可愛い」という言葉がお似合いで、私も描き上げた時思わず言ってしまいました(笑)
▼Narcolepsy1999の「まち時間」
ーー「まち時間」もそうですが、タイトルが独特だなと感じますが、どのように決めているのでしょうか?
▼Narcolepsy1999の作品とタイトル
絵を描き終えた後にいつも決めています。描いている時はどんな気持ちだったんだろう、を思い返して考えています。
例えば「まち時間」は誰かを待っているような感覚で描いていたり、色んな街に行ったりしていて、このタイトルにしました。
「ピアス」に関しては、学生の頃を思い出すような作品になったので、その時の感情を思い出して、「ピアスを付けたかったなあ‥」というところから決めました。
なので描き終わった後に、自分がその絵を見てどんなことを想像するかにタイトルが付いてくるという感じですね。
ーータイトルありきでなく、作品ありきでタイトルが付いてくる。面白い作り方ですね。
そうですね、作品はいつもいろいろ試しながら描いているので、それを後から振り返ってタイトルを決めています。
ーー今回初めて展示をやってみての感想を教えて下さい。
毎日がドキドキで、とても楽しいです!
色々な方が会いに来てくれたり、お話できたり、感謝の気持ちでいっぱいです。
次に挑戦したいのはアナログ作品
ーー今回まさに展示という新しい挑戦をされていると思うのですが、これから挑戦していきたいことを教えて下さい。
今回、鏡にスプレーを使ったアナログ作品を初めて作ってみました。これをやってみて、大変だったけど楽しくて。だからスプレーだったり絵具を使って描いてみたいなと思っています。
ナルコレプシーにとってアートとは
ーー最後の質問になるのですが、ナルコレプシーにとってのアートとはどんなものでしょうか。
難しい‥すごく莫大なもののような感じがしてしまいます。
でも少しずつ、ぼんやりですが自分の中で見え始めたのかなあとは思います‥ただ全く言語化出来ていないです(笑)
なのでこれから探求していけたらと思います。
ーーたしかに今回の展示がアーティスト第一歩というところでもありますもんね。
ーー本日はお時間頂きありがとうございました!ナルコレプシーさんや作品について深く知ることが出来、とても楽しかったです。これからの活躍が楽しみで仕方ありません!
実際のインタビュー動画はこちらから
本インタビューはインスタライブにて実施致しました。
実際に話すアーティストの生声をぜひ聴いてみてください。
最後に
以上、1年ほど前から全くの知識0からイラストを描き始め、SNSにて人気に火が付き、今回初個展を開催したNarcolepsy1999さんへのインタビューでした。
驚異的なスピードで成長を続けるNarcolepsy1999から目が離せません。また個展にもぜひ遊びに来て下さい!
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▼個展情報
Narcolepsy1999 1st SOLO EXHIBITION「あくび」
8.18(木) ~ 8.28(日) ※月〜水は休廊
12:00 PM – 20:00 PM
〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1丁目12-4
Google Mapはこちらから
※会場が飲食店のため、1オーダーを頂いております。
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Narcolepsy1999さんの作品は、本通販サイトMONOLiTHでもお取り扱い中!
是非チェックしてみてください。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
それではまた!
MONOLiTH運営責任者
小野田 豪祐