【画家・OLI インタビュー】コロナ禍で生まれた新たな「歪み」の変革
目次
2023.3.24.UPDATE
皆さんこんにちは。現代アート通販サイトMONOLiTH運営責任者のGOSUKEです。
今回のアーティストインタビューのお相手は広島県出身の画家 OLI(オリ)。
近年、「歪み」をテーマに"WARP"シリーズを制作しているOLIさん。
別次元にワープしたようなモチーフが特徴的な作風は、OLIさん特有の"WARP"がテーマのシリーズ作品。
歪みを新しいバランスと捉え、もしその歪みを美しく感じるのであればその新しいバランスが成立することにより、
新たな黄金比となり得るのではないか?という挑戦と希望を表現しています。
今回はそんな博学多才な彼の素顔に迫ります。
アーティストプロフィール
OLI(オリ)
2014年のライブペイントを皮切りに、数々のクラブやパーティーシーンでグラフィティーアート、エアロゾールアートによるパフォーマンスを行い、2016年初の個展を開催、同年アーティスト活動を開始。
現在はCOVID-21から着想した「歪み」をテーマにした"WARP"シリーズを制作中。
アーティスト活動以外にもアートディレクターとしてファッションや映像、クラブシーンなどでアートイベントの企画や運営を行いながら、ミュージシャンやアパレルブランドとのコラボレーションなど多岐にわたって活動をしている。
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アーティストインタビュー
画家を意識し始めた大学時代
ーー絵に興味を持ち始めたのはいつからでしょうか?
元々、幼少期から物作りや図工の授業が好きでしたね。
ーーそうなんですね。画家を意識したきっかけはありますか?
大学時代にひたすらポスカでハガキに落書きをしていて、それをSNSにあげたら偶然イベントを開催したい人と知り合い、ライブペイントを依頼されました。
それが初めて人前で絵を描いた時で、この経験の中で画家という職業を意識したように思います。
ーーなるほど..。以前、壁画制作を拝見した時はとてもスピーディに描いていましたが、何かコツなどはありますか?
描いていく中で修正のきく作品であることも理由の一つですが、
一番の理由は絵を描く枚数の積み重ねだと思います。
ーーやはり技と時間が比例するんですね。キャンバス作品だとどれくらいの時間で描くことが出来ますか?
大体キャンバス30号までなら、3時間から5時間で制作できます。
僕の経験上、時間をかけた作品の方が行き詰まる傾向があるので、早く出来上がる作品が今の所は良い作品ですね。
ただ、最近は背景にも凝り始めたので以前よりはやや時間はかかりますが..。
「歪み」を再定義し、新たな黄金比を作る「WARP」シリーズ
ーー現在描いている"WARP"シリーズのコンセプトをお聞かせください。
約二年前から制作している"WARP"シリーズは、コロナ禍で生まれました。
当時、OLIの代表作となるような作品を模索している中、世界中でコロナが大流行し、人々の生活や様式が一変しました。コロナによって歪んだ世界がスタンダードとなった今、この「歪み」を美しいものと捉えることができるのではないかという試みで制作を始めました。
ーー"WARP"シリーズはコロナ禍で生まれた作品なんですね。
一般的には「歪み」は歪なもの、不愉快なものというネガティブなイメージがあると思いますが、
もしかっこいいと思える「歪み」があればそれが新たな形式となりますから。
ーーすごい...。新しい黄金比のようでかっこいいですね。
そうですね。元々、かっこいいものや美しいものは勝手に黄金比が成立しています。それが崩れることで違和感が
生じるのですが、歪んだ状態でもいいと思えるのは新しいバランスが生まれているからだと思うんです。
一種の歪みによる対応ですね。それを自身の作品で表現したいです。
ー"WARP"シリーズを作り始めて、周りからの評価など何か変わったことはありますか?
今までは比較的幅広い題材を描くことが出来たので様々な依頼を受けていたのですが、最近は「歪み」=OLIと認知してもらえるようになり、"WARP"シリーズ関連の仕事が多く、クライアントなどから求められるものが統一されるようになりました。
ーーすごい!"WARP"シリーズはOLIさんの代表作になったわけですね。今回、コロナは世界の人々に影響を与えた大きな出来事ですが、OLIさんの生活もコロナによる変化はありましたか。
ありましたね。個展の開催が流れたのですが、それに向けて制作していたグッズの在庫を捌く為に、
アパレルのオンラインサイトを立ち上げました。展示以外の新たな販売の基盤を作ることが出来ました。
作品制作に関することだと、コロナによって絵と向き合う時間が増え、より絵に対する気持ちが強まりました。
ライブペイントは、一張羅で
ーーOLIさんの好きなエピソードなのですが、ライブペイント時は作業着ではなく、
一丁羅を着るというのがありますが。
そうです。歌手やアーティストがステージに立ってライブをするような気持ちでライブペイントをしたいと
思っています。僕自身が生み出すものは、最高級品という心持ちでやっているので。
あと、人々が思う絵描きという服装をするのではなくて、バチバチに決めた服装で人々の前に現れることで、
何をする人なんだろう?絵描きか!と絵描きに対する印象を変えるようなものを見せたいんですよね。
でも、ペイント中に汚れて使えなくなった服が何着もありましたが(笑)
ーーいつもバチバチに決めた服装に白い手袋をつけていますよね。何か理由があるのですか?
軍手とかビニール手袋じゃなくて、宝石を扱うような白い手袋を毎回着けています。
僕が生み出す作品は宝石であるという意味を込めて着けていたらこのスタイルが定着しました。
世の中の人がイメージする絵描きは静かな印象があったりすると思うんですけど、それを変えたいわけじゃないんですが、僕みたいな表に出るようなアーティストがいても良いのかなと思って。
豊富なインプットが作品制作の鍵
ーーなるほど...かっこいいスタイルですよね。ライブペイント含め、作品を制作するモチベーションはなんですか?
モチベーションですか...。
まず、僕は感情を表現するスタイルではないので、自身が惹かれる美しいものや音楽、映画などをみて
インスピレーションを受け、ストックを作ります。
その後にキャンバスを買い集めたりして、絵を描き始めていつの間にか気分が乗ってきます。
ーーやはり、制作する上でインプットが大事なんですね。
最近モチベーションの上がったものがあったら教えてください。
最近良かったのは「エルヴィス」という映画ですね。実話をもとにしていると話に厚みが出るので好きです。それと、ファッションや色使いなどが良かったNetflixで配信している「Peaky Blinders」もオススメです。
建物などの内装や外装、構図などが良い「リリーの全て」も是非観てください。
ーー面白そうな作品ばかり..見てみます!もしあれば、直近の展示予定を教えてください。
渋谷のPulp(パルプ)というセレクトショップで8/26から一週間、アート数点とフィギュアやポスターなどのグッズを
販売するポップアップに参加します。ラグの受注も行います。
ーーOLIさんもグッズを販売されるのですね!そういえば、OLIさんはアパレルブランドさんとのコラボレーションも多くしていますが、グッズ制作する上でのこだわりなどはありますか?
アーティストとして活動している上でグッズを作っているからといって、絵を無差別に配りたい訳ではなく、絵という希少価値のあるものを一点一点手作りして届けたい、という思いが近いですね。
多くの数は作りたくないので、限定のものなど希少価値に反応してくれるファンなどに届けられるようにしたいと
思っています。
ーーなるほど..。グッズもアート作品なんですね。
そういう認識があっても良いかなと思います。
絵に対する希少価値をつけたいのもありますし、アパレルに関しては服を売っているのではなくアートをプリントしたものを売っているという考えにしたいですね。アートを買う感覚で服を買ってくれたらなって。
額縁に入れて飾っても良いですしね。
これからの挑戦について
ーーこれから挑戦したいことはありますか?
立体作品を制作したいと思っています。
ただ、資金が必要となってくるので、クラファンなどを検討しているところです。
NFTに関しては僕がやりたいことというより、これからやるべきことという感じですね。
ーーNFTもやられるんですね。
はい。データに関しても、ブリッジに繋いでやろうと思っているんですけど、如何せんお金がかかるんですよね...。
ーーなるほど...立体物はフィギュアのOLIとしての作品を作られるのですか?
フィギュアOLIではなく、"WARP"シリーズを立体作品に展開したいと思っています。
フィギュアなどの玩具ではなく、アート作品としての。
ーーフィギュアOLIはアート作品とは違うのですか?
僕にとって、フィギュアに関してはアート作品というよりホビーという枠ですね。
アートから発展するフィギュアは別ですが、あのフィギュアOLIというキャラクターはホビーでありたいと
思っています。
ーー"WARP"シリーズの立体物の構想はあるんですか?
頭の中にはめちゃくちゃ良いのがあるのですが、予算がめちゃくちゃかかるんですよね。
アート作品は量産型ではないと思うので、それをどのように作っていこうかなと現在模索中です。
お金を理由に止めたくはないので、行動をどんどんおこしていこうと思います。
ーーそれでは、今は変革の時なんですね。"WARP"シリーズの第二ステージというか。
そうですね。これに取り掛かることで、世界で戦える作品が見えるかなと思って。
ーー"WARP"シリーズの海外からの反響はどうでしょう?
時々、メールで何件か問い合わせがありますね。ギャラリーからの問い合わせもあって、台湾での展示を4月に
やらせていただいたり、現在進行中のものもあります。
アートを通じて自身を表現する
ーー世界に挑戦する作品が出来そうで、今から楽しみです!OLIさんにとってアートとはなんでしょうか?
僕にとってのアートは「生涯できるもの」ですかね。
ーー「生涯できるもの」..深い言葉ですね。
僕、普段はふざけているキャラなんですけど、一番真面目にできることですね。元々真面目人間ではあったんですけど、なんとなくやってきたことが多いので、それを経験したからこそアートはなんとなくじゃないものだと思います。
言葉で発することは上手いんですけど、活字とかは苦手で。いざという時に心伝えるもの。感情ではない僕自身の内面を絵を見ながらだったらいくらでも説明できるなと思って。
ーーOLIさんにとってアートは自己説明ツールでもあるんですね。
そうですね。生涯絶対なくてはならないものと思ってはいないのですが、「生涯できるもの」としてできれば良いなと全部に期待をしています。絵を愛しているというよりそれができている自分が好きかなって。
ーーそういう気持ちは大事ですよね。
絵を愛しているんですよねってはっきり言えたら良いけど、そういうことではなくて。今の状況を反映しているものが好きなんですよね。自分の内面の喜びを知るために描いているのかもしれないです。
ーーそれがライフワークになっているのもすごいですよね。
まぁ、僕にとってはそれが稼ぎ頭なんですけどね。それがなくなったら無職になっちゃうので。
なので作品を購入してくれたら嬉しいです。あとは、将来やめないことかもしれないです。
ーーそっか...。"WARP"シリーズにOLIさんの内面も表現されているのですか?
最初はちょっと不安な要素もありましたね。同じものをずっと描くことができないタイプなので。けど今のところはフィットしていて、自分自身の内面を表現できていると思います。ただ、そろそろいじりたいとは思いますね。
「歪み」とか「歪なもの」というイメージができたならば、曲げ方は第二段階に行かないと。新しい絵を描いたり新作を作っている訳ではないんですよね。"WARP"の新シリーズを作りたいと思っていて、今が丁度転換期なのかも
しれません。
ーー本日はお時間頂きありがとうございました!OLIさんや作品について深く知ることが出来て、とても楽しかったです。これからのご活躍が楽しみで仕方ありません。
実際のインタビュー動画はこちらから
本インタビューはインスタライブにて実施致しました。
実際に話すアーティストの生の声をぜひ聴いてみてください。
最後に
以上、"WARP"シリーズの誕生秘話や思いなど、アートに関する沢山の質問にお答えしてくれたOLIさんへの
インタビューでした。
昨年は寺田倉庫やMIYASHITA PARKでの展示など、目まぐるしいスピードで活躍の場を拡げているOLIさん。
そんなOLIさんの作品は、本通販サイトMONOLiTHでもお取り扱い中!
是非チェックしてみてください。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
それではまた!
MONOLiTH運営責任者
小野田 豪祐