制作年 |
2021 |
画材/技法 |
乾漆技法/漆/麻布/金属チャック |
サイズ(縦×横×奥行) |
530×570×200(mm) |
重さ |
2(kg) |
原画or複製画 |
原画 |
エディション数 ※複製画の場合のみ |
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額装 |
無 |
サイン |
有 |
<作品のストーリー>
化粧と漆が持つ「美しく粧う」こと、「覆い隠す」という二面性に親和性を感じている。
化粧をすることは、外見を美しく整えることは勿論のこと、自分の内面と向き合うため行為である、と私は化粧をするために毎日鏡と向き合う中で常々そう感じている。
一方で、漆で制作を行う時も似た側面を持っていると感じる。表層の美しい艶を表現するために何重にもわたる塗ったり研いだりする工程は、私にとって自分と向き合い、自分を高めていく時間である。自分の外側に意識が向きやすい現代社会において、自分と向き合い自分を知ることが、より豊かに生きるために重要だと考えている。
唇は、人特有の感情表現をする器官として様々な造形を持っている。幸福、怒り、悲しみ、愛憎など複雑 な人間の感情は、人が人たる所以として欠かすことのできない魅力だと感じている。
私の造る赤い唇は、強さ、美しさ、信念の象徴である。化粧をすることによってポジティブになる心理変化を捉えて表現している。化粧はジェンダーを超えて自己表現の一つになりつつある。外見だけではなく、内面を映し出す鏡のような意味を持たせて制作した。
私は、化粧と漆を通して「人間の本質とは何なのか」ということを追求している。
<スタッフのひとこと>
化粧品と漆の親和性の高さに着目し、作品を制作し始めた栃木県出身の漆作家 五月女晴佳。彼女の代表作である「Red lip series」では、唇を模した立体作品を数多く制作しており、その他には化粧品や香水瓶などをモチーフにした作品など、作品を通じて"人間の本質とは何なのか"について大胆かつ繊細に表現をしている。


自由を制限されたような唇の形が印象的な本作品。ハートを連想させるシルエットで形造られた真っ赤な唇と半分開いた黒いファスナーの組み合わせが斬新な組み合わせです。化粧を制限された姿なのか、はたまた言葉を発することを禁じられた姿なのか、様々な観点から作品を読み取ることが出来ますね。
五月女晴佳の作品は全てに共通して"人間の本質"についての問いかけが含まれています。新たな価値観を本作品を通じて、広げてみてはいかがでしょうか。
漆×化粧を多岐にわたり表現している五月女晴佳のオリジナリティ溢れる作品「Red lip series」を是非この機会に、お部屋に迎え入れてくださいね。